研究内容

Research Content

超音波イメージング、超音波の生体作用と圧電デバイスに関する研究を行っています。

超音波加温による音速変化に着目した
生体組織診断手法の確立

生体組織はガン化すると音速の温度依存性が変化するので、音速の温度変化を測定できれば腫瘍の良悪性を鑑別診断ができます。生体組織は超音波を照射すると温度上昇することが知られています。そこで、短時間超音波照射することによる音速変化を超音波で測定する手法について動物実験を行って検討しています。特に、最近では脂肪肝と繊維化が同時に進行することによってガンを発症することがあり、患者数も増えてきています。このような病気を非アルコール性脂肪性肝炎と呼んでいますが、この病気の診断を目的としています。

医生命システム学科祝迫教授と共同研究

研究の詳細は下記PDFを参照下さい

MRIと超音波の同時撮像による新しい
マルチモダリティイメージング

MRの高磁場環境で使用可能な超音波プローブを開発しました。このプローブを用いるとMRと超音波を同時に撮像することができます。左の図は頸部の同時撮像した超音波(上段)MRI(中段)から融合した画像(下段)で、甲状腺(赤い領域)を強調しています。

奈良県立医科大学脳神経内科と共同研究

超音波照射による生物の発生に与える影響

超音波照射したメダカ胚のプロテオーム解析*によって発生期の影響を検討しています。特に、ひとつの胚から抽出したタンパク質を対象に網羅的定量プロテオミクス(SWATH解析**)を行い、いくつかの重要なタンパク質プロファイルの変動を発見しました。

医生命システム学科池川教授・京都大学大学院医学研究科上野准教授・関西大学化学生命工学部日下部教授と共同研究

*プロテオーム解析「プロテオーム(proteome)」とはprotein(タンパク質)とgenome(ゲノム)を組み合わせた造語であり、ゲノムが一個の生物の持つ全ての遺伝情報を指すのに対し、プロテオームは、細胞内で発現している(発現する可能性をもつ)全タンパク質のことを指します。

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圧電薄膜を用いた超音波センサの開発と液体計測

電気信号から超音波を発生させる圧電薄膜の形成から、それを中核にした超音波センサの設計・開発、さらにはセンサを利用した計測まで一貫した研究を目指しています。

  • センサがどれほど大きな超音波信号を出せるかは圧電薄膜の性能が大きく関わります。良い結晶の薄膜を得るにはどうしたらよいか、スパッタ法と呼ばれる成膜法を中心に薄膜の形成メカニズムについて検討しています。現在は主にZnO、AlN、ScAlNについて研究しています。
  • 圧電薄膜を超音波センサとして使うためには、電極などを積層しデバイス構造に加工する必要があります。効率よく超音波が発生できる構造をシミュレーションして設計し、マイクロ・ナノメートルオーダーの微細加工を施すことでセンサデバイスを開発しています。
  • 作製した超音波センサを利用して、液体中での分子間相互作用の検出や液体の粘度、導電率の測定をしています。どのような測定手法を取れば高感度な測定ができるか、信号処理なども含めて検討しています。

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